短歌とTANKA

衣の歌      岩尾淳子

  • HOME »
  • 衣の歌      岩尾淳子

梅園のさかりは過ぎて古びたる幹あたたかき声を持つらし

からっぽの弁当箱をかたづけて職業というは箱のようなり

生徒らが解いてくれろと差し出せる過去問に読む阿仏尼の歌

うきうきと開いたことがあったかなあ数え切れない教室の戸を

苦しくてやめるというにああわれは夢の授業に笑っていたり

卵ケースの卵をひとつ抜き取しりのちに生まれるしずかなる穴

タブレットに防人の歌を読みながら真旅ということ夜更けて思う

垢のつく衣の歌のかなしかる占部虫磨呂は還れたろうか

切り花をほぐせばしおれた菜の花は夕べのひかりを宿しているも

ああ夜はなんてあかるい、古雛となりてひとりでいただくお酒

2020年12月
« 7月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
PAGETOP
Copyright © NADUNOKI ナヅノキ なづのき All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.