短歌とTANKA

貝殻骨           田中 教子

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胎内にまどろむ吾子は透き通る貝殻骨を背中にもてり

 

階(きざはし)の途中に人の落とし物の白いハンカチのやうな陽だまり

 

落とし穴掘るが趣味の子どもにてありけれど、その砂場もうなし。

 

ガリレオの伝記ひろげる草の上夕陽のながい尾がたれてゐる

 

石像のアンティノウスよ 遠き世のローマの街に降る春の雨

 

讒言を運んできたるくちびるにエデンの蛇を思ふ三月

 

シーソーの鉄の軋みに雛鳥の声が聞こえる月の王国

 

一本の木が揺れている咽喉の奥 ぎざぎざと崖切り立つ上に

 

海上へ雲をはこんでゆく風に遠き母らの歌声ひびく

2020年12月
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