四天王寺 聖霊会舞楽法要 中田文花
時移りビル立ち並ぶ街中に飛鳥の香り残すおほ寺
聖霊会つばくろ光る曼珠沙華大太鼓楽舎石舞台かな
行道の列は整いさみどりの風邪吹き抜けていざや発楽
連らなりて蓮のうてなを運びける迦陵頻伽の赤きくちびる
声明を唱ふ僧侶は経本に散華一葉挟みていたり
日は西に太平楽とはやなりぬ炎を揺らすますらをの舞
雨の聖霊会
降る雨に舞う人もなき石舞台紅き花びら濡れて散り敷く
雅楽には木々のざわめき鳥の声しとどに降れる雨音もよし
聖霊会果てて揃えの楽人がそぞろに帰る春泥の道