谷間を過ぎて車窓に海は見ゆその死者の名をわれにも告げよ
下宿までいだく袋の底にして發火點いま過ぎたり檸檬
紫陽花を見つつ街過ぐ雨のまま昏るる世界の底に傘さし
夕暮れの雨後の鋪道に浮く油その虹色の悔いのごとしよ
わが未遂なりし惡意よ黒革の手袋のさき銀の黴ふく
めくるめくわが愛ほろべ群青の死をましぐらに吸はるる雲雀
ゆきさきは知らねど闇へ一歩ずつ踏む絨緞のしびるる深紅
剃刀を頬にあてゐてひとすぢの血はしりたり たちまちに秋
谷間を過ぎて車窓に海は見ゆその死者の名をわれにも告げよ
下宿までいだく袋の底にして發火點いま過ぎたり檸檬
紫陽花を見つつ街過ぐ雨のまま昏るる世界の底に傘さし
夕暮れの雨後の鋪道に浮く油その虹色の悔いのごとしよ
わが未遂なりし惡意よ黒革の手袋のさき銀の黴ふく
めくるめくわが愛ほろべ群青の死をましぐらに吸はるる雲雀
ゆきさきは知らねど闇へ一歩ずつ踏む絨緞のしびるる深紅
剃刀を頬にあてゐてひとすぢの血はしりたり たちまちに秋
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