短歌とTANKA

『噴水塔』加藤治郎 角川学芸出版 2015.1.28

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棒樫の葉は茂り居り囁きながら雨空に去る

 

定型に閉じこめられた音韻はなにも救わずゆうぐれの虹

 

鶏卵の尖ったほうを撫でているおいてけぼりの二〇〇〇年代

 

教科書に加藤治郎(一九五九〜)と記されて没年はまだ夏雲のなか

 

ともだちになってくださいひんぱんに足跡のこしますから、うさぎ

 

もし目覚めたらあしたの朝は雪だろう蜂蜜いろのマフラー巻いて

 

あたたかき父の骨壺ひざにのせ氷雨の路を鳴海に帰る

 

手巻き式腕時計なりこちこちと父の虚ろは俺に続くか

 

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