短歌とTANKA

『火光』真中朋久 短歌研究社 2015.6.1

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温度差といへばさういふものならむ温度差ありて空気がうごく

 

膝折りてゐるリャマの石像 いくたびもせよ遠来のものがたり

 

     当時者であらうとすること

よき例歌拾はむとせし集なるにああこのひとも野次馬にすぎぬ

 

滅ぼしし恋のいくつか地下鉄の眠りと眠りのあはひに思ふも

 

長寿保険とは何ぞと問へな雌狐は目をあげて「鳥獣」と発音しなほす

 

髭づらで昼から出勤する男を誰もたれも現役(かたぎ)と思はず

 

いくたびか目をあげて見るーーー天井からながく吊られたる五円硬貨

 

二度死ぬことはあらねど再びを殺されるといふことあり死者には

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