短歌とTANKA

『水上の往還』小林幸子 砂子屋書房 2013.11.22

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雨戸すこし開けてねむればその幅に月が収まる夜の深きとき

 

呼び交はす何の鳥かもかうかうとひとりものいふこのみどりごは

 

山にふり落とされたといひしひと そのなつかしき声をおもへる

 

遠街のはづれのあかるいみづたまりあそこに着水するよといへり

 

あけぼのに白鯨の雲したがへてきみ帰りこよ桃の咲くころ

 

あとかたもない、といふこゑ過りたる青空の端折りかへしおく

 

なきひとが笠置山にて焼きくれし花瓶に夏の雨を満たせり

 

地に低くびつしりと咲く向日葵のひとつだに夏の陽にしたがはず

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