短歌とTANKA

秋の田の          森垣 岳

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越えるべき荒野としての父母と越えても我の荒野なるべし

あらかじめ手を温めおく息白き朝(あした)我が子を抱き起すため

大げさに弔い過ぎてゆくごとしイナゴが蟻に運ばれてゆく

ひとひらの雲を指さし「んな」と言う あの雲の名は無名(むな)というらし

雨晴れて最期のセミの一匹が細々鳴きて秋深まれり

永遠に続くがごとし秋雨はなまずの肌のぬめりのにおい

えのころの穂を握りしめ稲刈りの朝を迎えし田をめぐりおり

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