短歌とTANKA

デジタル空想植物園6  森垣 岳

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「クマムシのクールな生活 」   森垣 岳

 

お笑い芸人のクマムシという二人がブレイクして久しいですが、それ以前からクマムシという生物は注目を浴びる存在でした。

そもそもの発端は2004年に出版された早川いくを氏の「へんないきもの」という本でクマムシが紹介されたことがきっかけだったように思います。それからテレビなどで少しずつ紹介され、史上最強の生物として広く知られるようになりました。

なにが最強なのかと言うと、クマムシという生物は乾燥状態ではどんなに高温や低温にさらされても、環境が元に戻って水分を得ると再び動き出すのだそうです。さらに強い紫外線や真空状態でも乾燥していれば難なくやり過ごすことができるため、宇宙から来たのではないかという説まで飛び出した程です。

そんなクマムシですが、普通の生き物のように血管を持たないのだそうです。とにかく体液が体中に充満しているだけで、血管のように体液を体の各地に運ぶ器官がどう観察しても見当たらないのだそうです。

そんな体をしていると、体内の物質循環はうまくいかず、同じ体液が同じ場所にとどまってしまい、たちまち体調を壊して死んでしまいます。それでも、クマムシは毎日元気に過ごしているのはなぜなんでしょうか。

これに関して京都の高校生の研究発表によると、クマムシは歩行によって体液を循環させているのだそうです。普通の生物なら歩く時は関節を折り曲げて前に出し、地面を蹴る摩擦の力で体を前に送り、次の一歩を出し、の繰り返しで前進します。

一方クマムシは足を体の中に引っ込めた勢いで押し出された反対側の足を前に出し、その足を地面に引っ掛けたまま引っ込める力で前進します。足を体の内側に引っ込める瞬間に体液も内側に流れていきます。一方で出てきた方の足は体から体液を押し出す力で足が出るので、体液も足に向かって流れます。

これを繰り返すことにより、クマムシの体液は効率よく体内を巡回しているのだそうです。よくよく観察すると、歩き方が独特なのはこの血管を持たないためであるようです。

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