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古都チェンマイ      御厨 慶子

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       古都チェンマイ         御厨 慶子

沙羅双樹の蕾ふくらみ傍らを小りす素早く木の間に隠る

 

(ワットプラシン→チェンマイの寺)
み仏がみどりごのまま歩まれる壁の絵みつむワットプラシン

 

青年僧が袈裟を連ねて歩みゆく古都チェンマイにオレンジの風

 

彫り深き青年僧居て女には触れてはならぬ戒律むごし

 

熱帯の風がくすぐるブーゲンビリア樹の下金の鐘の音涼し

 

メーピン川を船で下れば夕風に卓のランプの炎ゆらめく

 

まつ暗な水面に映る月の影いつしか船に寄り添ひ下る

 

象が描(か)く木の葉かすかに揺れている絵にも吹くのか熱帯の風

 

象使いの言葉わかるか山の色空の色とを違えず描く(か)きぬ

 

ひと筆ごとひげ甦る老紳士似顔絵かきが夜市に立ちぬ

 

似顔絵かきはちゃんと約束はたしてる「We can draw from your photo」

 

(ソンテウ→タイの乗り合いタクシー)
道たがえ赤きソンテウに手を挙げてええいままよと荷台に上がる

 

ソンテウで巡る城壁崩れかけ堀の水面に風情をうつす

 

大宮人かつて通りしターペー門バイク知らぬか暴走やまず

 

街路樹の木陰うれしきまわり道たまにはいいさと城壁みつむ

2024年3月
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