いつか我は鳥の血族 はらはらと視界の端をこぼるる木の葉
しこりあるひだりの胸に触るるたび故郷の雪を思ひ出す
祖父が搾りくれたる林檎汁 病み強き子と言はれしむかし
スパイの血ながれていたる友人の書きし小説枕に眠る
今はなき沓脱ぎ石とちちとはは出迎えくるる夢のなかにて