短歌とTANKA

  レモン運ばる        北原耀子

  • HOME »
  •   レモン運ばる        北原耀子

レモン運ばる        北原耀子

 

闇に浮くプラットホームに待つひとら くるぶしなきごと歳晩の町

菜花サンド食みつつひらくPCに少女の自爆テロ在り まひる

冬玻璃のつめたき書庫の下闇に蝉の死骸は仰向きてあ り

黎明に雪降るあはれ端末に虐殺、王子誕生、SALE・・・

夕つ日の繊きひかりの帯のなかとほる電車にメール打ちつつ

奴豆腐の角崩しつつ他愛ない話したるよレモンの灯の下

抽斗を開ければ銀河眠られぬ君記したるノート思ほゆ

きみの兄より拒絶の葉書届きし夜光る鋏で薔薇を剪らうよ

硝子戸に斜めに冬の光差し大文字畳店日曜の朝

三輪のバイクに積まれ瀬戸内のレモン運ばる神田明神下

2024年4月
« 7月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
PAGETOP
Copyright © NADUNOKI ナヅノキ なづのき All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.