棒樫の葉は茂り居り囁きながら雨空に去る
定型に閉じこめられた音韻はなにも救わずゆうぐれの虹
鶏卵の尖ったほうを撫でているおいてけぼりの二〇〇〇年代
教科書に加藤治郎(一九五九〜)と記されて没年はまだ夏雲のなか
ともだちになってくださいひんぱんに足跡のこしますから、うさぎ
もし目覚めたらあしたの朝は雪だろう蜂蜜いろのマフラー巻いて
あたたかき父の骨壺ひざにのせ氷雨の路を鳴海に帰る
手巻き式腕時計なりこちこちと父の虚ろは俺に続くか
棒樫の葉は茂り居り囁きながら雨空に去る
定型に閉じこめられた音韻はなにも救わずゆうぐれの虹
鶏卵の尖ったほうを撫でているおいてけぼりの二〇〇〇年代
教科書に加藤治郎(一九五九〜)と記されて没年はまだ夏雲のなか
ともだちになってくださいひんぱんに足跡のこしますから、うさぎ
もし目覚めたらあしたの朝は雪だろう蜂蜜いろのマフラー巻いて
あたたかき父の骨壺ひざにのせ氷雨の路を鳴海に帰る
手巻き式腕時計なりこちこちと父の虚ろは俺に続くか
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